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アイナ・サハリン

アイナ・サハリン

アイナ・サハリン

『機動戦士ガンダム第08MS小隊』のヒロイン。ジオンの名門サハリン家再興のため、技術将校である兄のギニアス・サハリンを献身的に支える健気で優しい女性である。その一方で、窮地に追い込まれても挫けない強い意志も併せ持つ。サハリン家に仕えてきたノリス・パッカードの見立てでは、彼女は父に似ているという

宇宙で高機動試験型ザクIIに搭乗し、稼動実験中にテリー・サンダースJr.が所属する連邦軍の哨戒部隊と遭遇。サンダース機以外を殲滅後、更にシロー・アマダの乗った先行量産型ボールと交戦、双方大破して宇宙で遭難するが、漂流していたマゼラン艦の残骸内での銃撃戦の後、二人で協力し合って難を逃れたことで、風変わりな敵の士官シローへの恋心が芽生える。

地球降下後は、ギニアスを支えるため、ギニアスが完成を目指すアプサラスのテストパイロットに志願、テスト飛行を行っていた。しかし、ノリス不在で射爆場をテスト飛行中、「謎の巨大兵器」捕獲のため罠を張っていたシローの第08小隊の策に嵌まったアプサラスは航行不能に陥り、機体に張り付いたシローの陸戦型ガンダムもろとも大破して雪山で遭難してしまう。凍死しそうなシローを救い出し、互いに想いを告白。両手が凍傷にかかったシローに代ってガンダムを操縦し、出力最弱のビームサーベルで雪を溶かして沸かした即席の露天風呂に一緒に入浴するなど、この頃から2人は完全に恋人関係になる。

ノリスの捜索により救助され帰還したのも束の間、遭難中に連邦兵シローと共にいるところを撮影されていたため、兄ギニアスから詰問を受ける。アイナは奇しくも同時刻に審問会で証言するシローと同じ言葉を主張。ギニアスの冷笑を浴びると共に互いに不信感を抱くようになる。兄への疑念と嫌悪感はラサ基地内の兵に対する投薬治療の杜撰さ、アプサラス開発スタッフ全員の殺害を知るに至りピークに達する。

物語終盤、オデッサから多くの敗残兵が逃げ込んできたことによってラサに存在していた秘密基地の所在が露見し、地球連邦軍の物量にモノを言わせた総攻撃が始まる。アイナは完成したばかりのアプサラスIIIのパイロットとして病状の悪化したギニアスと共に乗り込み出撃する。優しい性格のアイナには威嚇以上の意思は無く、ただ傷病兵の乗った病院船ケルゲレンが宇宙へ脱出するまでの時間稼ぎのつもりで一時休戦を連邦軍へ呼びかける。突然の休戦の申し出に困惑する連邦軍を信用させるため、彼女はアプサラスのコックピットを開け身を挺しての説得を試みた。それが効を奏し連邦軍は休戦に応じたかに見えたが、実のところ全く信じられていなかった。一方、アイナが操縦席を離れた隙に、アプサラスの全てのコントロールを支配下に収めたギニアスは自らアプサラスを操縦、連邦MS隊を焼き払ってしまう。その報復措置として病院船もジム・スナイパーにより撃墜。アイナは怒りに燃えて復讐せんとするが、メガ粒子砲を放つ寸前にシローのガンダムEz8が視界に入り我に返る。制止しようと投降を迫ったアイナはギニアスの狂気の銃弾に倒れ、そのまま開放したアプサラスのコクピットから転落する。

だが、アイナが胸に忍ばせていたギニアスとの写真入り懐中時計で銃弾が防がれ、更にシローの乗るガンダム・Ez-8の手に受け止められた事で奇跡的に一命を取り留める。そして兄の狂気に走った殺戮を終わらせるべくアイナはシローと共にEz8で特攻をかけ、ギニアスもろともアプサラスを撃破。もつれ合って火口に落下した際にアプサラスの爆発炎上に巻き込まれ、二人は以後行方不明になる。

後日談が描かれた『ラスト・リゾート』にて、キキ・ロジータミケル・ニノリッチによる捜索の末に、ラストで片脚を失くしたシローと彼の子を身籠ったアイナが2人でひっそりと山奥の小屋で生活を営んでいる姿が描かれている。

小説版では、ギニアスに腹部を撃たれるが、ギニアス本人のかすかに残っていた兄妹の情からか急所はそれ、一命を取り留める。その後、アプサラスに乗り込んできたシローと共に、ケルゲレンを連邦軍から救うため、アプサラスのメガ粒子砲で雲に戦争映画の映像を流すという詭計でケルゲレンを無事に宇宙に送り出す。しかしその後、自らの戦功を無にされて怒ったイーサン・ライヤーが命じた一斉砲火を受けアプサラスは大破、2人は行方不明となる。

その後キキの村で偽名を使い、シローとともにひっそりと暮らしている。

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