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ディアナ・ソレル

ディアナ・ソレル

ディアナ・ソレル

月世界を統治する女王で、主人公ロラン・セアックの憧れの存在。またローマ神話では、月と狩猟をつかさどる女神の名がディアナが登場する。

1000年ほど前に生まれながら19歳の肉体(外見)であり、正確な年齢は不明。俗に言う「月の千年女王」で、統治者として1~2年の公務と100年単位の人工睡眠とを繰り返している。

風貌から容姿、声に至るまでキエル・ハイムと瓜二つであるが、両者の間に血縁関係などはないようだ。

肌はディアナが月のように青白く、キエルの方が少し日焼けしたような白い肌であり、目のハイライトはディアナが目立たず、キエルの方が目立つ。ただし、これらの演出は視聴者のためであり、作中の登場人物には見分けがつかない。

基本的に高潔で人間味あふれる人物だが、世間知らず。自制心が強く穏やかな性格。キエルと衣装を交換し合って楽しむなど、お茶目な一面も見せる。地球帰還作戦によって生じた多数の死傷者や避難民などへの態度から分かる通り、責任感が強い。

家族も親族もいないという設定。さらに側近の女官や友人などとも、それほど親しくはないらしい。結果的に私生活は、にぎやかとは言えないようだ。

劇中はほとんどずっと戦時下であったが、なるべく平和的な解決を目指していた。例外は、第48話でギンガナム艦隊の駆逐を命じたのみである。しかしながら、ライフルを撃つ、ビームライフルについてロランに説明する、など立場上から軍事的知識はなかなか豊富。モビルスーツや戦艦の性能にも詳しく、ジャンダルムの脱出シャトルを操縦した時もある。

父親が月の土壌改良に成功したことから、月世界で統治者の地位につく。月世界が君主制になった理由と、ディアナの不在中(人工睡眠中、地球滞在中)の機能する統治機構の概要は、明らかにされていない。

ほとんど神格化され崇められているが、無論すべてのムーンレィスが全面的に恭順しているわけではない。劇中ではテテス・ハレに恨まれており、また地球帰還作戦をきっかけにフィル・アッカマンアグリッパ・メンテナーギム・ギンガナム達には背かれ、クーデターが起こることになる。

戦争終結後、ディアナと入れ替わったキエルが月に戻ると、ムーンレィスに女王として迎え入れられた。つまり月では、ディアナの信頼も君主制も維持されているようだ。

終戦後、ムーンレィスがミリシャと和解すると、キエルと入れ替わりロランと共に地球で隠棲する。エンディングでロランとの隠棲生活が描かれている。二人は恋愛関係にあるのか、印象的な左手薬指の指輪は誰から渡されたものなのかなど、視聴者はその後のディアナについて自然と想像を喚起される。これに関する公式設定はない。これに関して『∀の癒し』で監督の富野由悠季は、なぜディアナがロランに自分を看取る事を頼んだか、という事に少しだけ触れている。

余談だが、最終話の脚本は何度も書き直された。第3稿まではもう少しディアナが肉体的に老いている事を描いていたが、最終稿ではディアナの肉体的変化を強調せず、杖をついたり声の調子をやや変えるなど、ほのめかす程度に表現されている。