MS-07 グフの実戦化により、ジオン軍の地球上での作戦能力はわずかながらも向上の兆しを見せていた。しかし最大の難題であるMSの移動力向上問題の根本的解決には至っておらず、軍や各社の技術者の苦闘はなおも続いていく。この問題を突破したのは、07C-5設計の経験を持つツィマッド社だった。彼らはC-5で培った脚部推進器に関する技術と理論を発展させ、ホバーとロケットの併用による移動方法を見事に完成させたのである。基礎技術に関する問題点をクリアした同社の開発班は、驚異的な速度で設計を終了し、実機の制作に移った。完成した2機の試作機は直ちに地球に移送され各種試験に使用、数週間後には採用が決定されたという。