グリプス戦役当時のバイアランの残存機のカスタマイズ機。トリントン基地で改修された技術試験評価機で、新規開発された技術ではなく既存技術の転用によってMSの単独滞空能力の向上を図る計画によるものである。
頭部センサーはモノアイ式から連邦系の技術のバイザー式に変更、両腕部はガブスレイの脚部のクローアームとビーム・サーベルとして使用可能なメガ粒子砲に換装。足先もクローアームとなっており、踵部分はバウンド・ドックのものと同形となっている。背部にはプロペラントタンク直結の増加スラスターが2基追加されている。
2機が改修され、1号機は増設パーツと改修部分の検証機、2号機はさらにギャプランのパーツにより背面部スラスター・ユニットを改修してコクピットを最新型の94タイプに換装し空間機動性を大幅に向上させた「完全版」となる予定、となっている。本機を指して開発関係者は「ティターンズMSの合成獣(キメラ)」や「麒麟」のようだ、と述べている。
OVA本編に登場したのは1号機のみで、2号機は『ガンダムユニコーンエース Vol.3』掲載の「星月の欠片」のみの登場となっている。ジオン残党軍によるトリントン湾岸基地襲撃において、2号機は援護射撃を行った後に起動エラーを起こしてフリーズするものの、1号機は起動に成功。数において圧倒的なジオン残党軍に対し一騎当千の活躍を見せる。単独で飛行できる能力を生かし遮蔽物に遮られることなく広い射界を取ることのできる上空から袖付きの新型機であるゼー・ズールの2機を瞬時に撃破したほか、他のジオン残党軍のMS多数を撃破した。
その後ジオン残党軍のマラサイの1機が放った海ヘビによって動きを止められた直後にヨンム・カークスの駆るザクI・スナイパータイプに後部の増加スラスターを狙撃され、中破しながらもマラサイをサーベルで撃破した後の状況は描かれていない。