もともと重力下用の機体として設計されたMS-09ドムをベースとし、熱帯地方、特に砂漠地帯の環境への最適化を目標に再設計された機体である。アフリカ戦線などに投入されたYMS-09Dドム ・トロピカルテストタイプの実戦投入で得られたデータを元に、空力形状やメンテナンス性、そして発展性などに配慮した構造を持っている。特に、微細な砂塵の対策として、脚部熱核ジェットホバーのインテークフィルターを改良したユニットが設計段階から採用されており、脚部の構造は当初から砂漠に対応した表面効果の高い形状を持っている。また、装備の互換性は徹底的に改善されており、ビーム兵器以外の武装であれば、ほとんどが無調整で使用することが 出来る。
北アフリカ西岸のキャリフォルニアベースで生産されたこの機体は、主に北アフリカ戦線に配備され、戦後も公国軍残党によって相当数が使用されたと言われている。