機動巡洋艦。開戦に先立ちジオン公国参謀本部作戦課は、総帥府の戦争方針である「迅速な敵軍の無力化による早期講和達成」を実現すべく、作戦研究を始めた。地球本土侵攻作戦は講和締結に失敗した場合の、いわば保険として策定されたのである。結局、講和に失敗したジオン軍は本土侵攻を実施するのだが、この着上陸作戦で大きな役割を果たしたのがケルゲレンなどの機動巡洋艦であった。HLLV（ヘヴィ・リフト・ランチ・ヴィークル：大重量物輸送往還艇）着床前に上陸地点に侵入、素早くMS部隊を展開して後続部隊の安全を確保したのだ。降下部隊が最も脆弱となる着床時を守ることこそ、本級の本分なのである。
