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MS-06S 指揮官用ザクII メカニズム解説

MS-06S 指揮官用ザクII

ヘッドパーツ

MS-06Sには、基本的にF型と同等のヘッドモジュールが使用されているが、指揮官機としての通信機能や索敵能力などの向上のため、アンテナ基部の構造などに変更が加えられている。

MS-06Sの頭部は、モノアイによる外部映像認識装置と、各種の複合センサーによって構成されている。モノアイは公国製MSの特徴ともいえる端末で、いわゆる光学的な撮影能力だけでなく、広範囲の電磁波を感知できる上、アクティブセンサーとしても使うことが出来る。また、機能的にはレーザー通信のための送受信システムも組み込まれている。この端末を開発したグラモニカ社は、もともとカメラや光学ディスクのピックアップのメーカーで、一年戦争後はアナハイム傘下の家電ブランドとなっている。

ボディモジュール

MS-06SとMS-06Fのもっとも大きな差異は、ボディモジュールに集約されている。バーニアスラスターは一基につき30%程出力が向上し、ジェネレータもチューンナップされている。つまり、運動性能を左右する動力系が強化されたということは、空間戦闘における機動性、及び格闘、白兵能力も向上したということなのだ。

S型の機体の特徴は、バーニアノズルの大型化と、メインスラスターの高出力化である。実際には、装甲材の換装なども行われているのだが、いずれにしろ外観からその差異を見極めるのはかなり困難でもある。

M&Y公社とZIONIC社が共同開発したMYFG-M5ESX型核融合ジェネレータを二基搭載する。メインスラスターはF型と比較して、ほぼ同サイズでありながら30%増の出力を誇る。また、ジェネレータそのものも5%程度の軽量化に成功しており、全体的なパワーウェイトレシオの向上に貢献している。

モビルアームユニット

MS-06Sの腕部モジュールは、装甲材以外はすべてF型のパーツを流用している。ザクの持つ圧倒的な汎用性は、このモジュールがなければ実現されることはなかっただろう。

ザクの各関節部分に採用される駆動装置は、流体内パルスシステムと呼ばれる。これは炉心で精製されるエネルギーをパルスコンバーターでパルス状の圧力に変換し、それを数千本の極超微細管によって流体パイプに導き、関節駆動用のロータリーシリンダーに極超音速で伝達するという小型軽量のシステムである。

さらに、S型のマニピュレーターに装備される触感センサーは、一説には熟練者なら卵を潰さずに割ることが出来たと言われているほどの精度とフィードバック能力を持っていたらしい。このセンサーユニットの開発には、医療機器メーカーのオスカログ精工が技術提供していたと言われている。

レッグパーツ

MSは、人体の構造を模倣することで広範な汎用性を獲得した。ザクIIの完成は、その一つの回答であったといえる。そのOSは連邦のMSにも多大な影響を与え、全てのMSの根幹をなしている。

MS-06SとMS-06Fの大きな違いの一つが、脚部バーニアスラスターの増設と、それに伴う脚部の内部構造の改変である。F型においてコントロールのオート化のための部品などに割いていた脚部の内部容積を、高出力化したスラスターとプロペラントタンクとに換装したのである。これによってAMBAC(能動的質量移動による姿勢制御。MSの四肢を活用して、燃料消費を節約するシステム)の自動制御が多少扱いにくくなったものの、逆に任意による制御がしやすくなった。

また、ジェネレータなどの総合出力が向上したことで、機体全体の運動性も改善されている。つまり、姿勢制御の演算に必要な手続きをパスして、パイロットが任意に機体のレスポンスを調整出来るようになったのである。

Text data : BANDAI
Mechanism illustration : BEE-CRAFT