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WD-M01 ∀ガンダム

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WD-M01 ∀ガンダム

イングレッサ・ミリシャなどで使用された、発掘モビルスーツ(型式番号:System-∀99 ミリシャ内ではWD-M01)。∀とは、全称記号で「全てを内包する」という意味を持つ。運用思想は徹底した「単機による作戦行動」であり、通常の兵器に求められる「用途に応じた機能の特化」という大原則を無視したものとなっている。その常識外の思想背景の基となっているのは太陽系外勢力に対する恐怖心であり、それによって∀開発に関する全ての制限を消滅させてしまう結果となっていた。

かつて月光蝶システムを使い、地球圏の人工物を砂に変えた機体で「地球文明を埋葬した」とされる。その後は北アメリア大陸の町、イングレッサ領ビシニティ北部のマウンテンサイクル(アーク山)に長年祀られていた神像内に隠されていた。ビシニティの成人式の日、ディアナ・カウンターのウォドムに反応して起動する。

機体各部の意匠や機構にターンXとの共通点が多い。劇中で両者は「兄弟」「ターンタイプ」などと呼ばれた。

過去のガンダムシリーズのIフィールドとは異なり、∀ガンダムのそれは実体弾及び衝撃波等にも対応している。また広範囲への展開で背部広域を防御するなどの効果を見せた。

動力源の「DHGCP」は、資料では「縮退炉を2基搭載したもの」と記述されており、他の多くのMSで浸透している熱核反応炉ではない事が判明している。小説版では「不連続超振動ゲージ場縮退炉」と記されており、その縮退炉から発生させたエネルギーを、内面に展開し縮退を起こす、と解説されている。周囲から熱を奪う性質上、縮退炉には幾重ものブランケットが巻いてある。

機体は「IFBD(Iフィールドビームドライブ)」によって稼動している。既存のMSのようにジェネレータや駆動装備に占有される容積が極端に少ないため、駆体そのものが装甲や構造材を兼ねた構造となっている。この内部容積に牛などの家畜や、核ミサイルを積載した事もあった。

推進器は下半身に集中しており(脚部にスラスター・ベーンが搭載されている)、重力下でも有る程度の飛行が可能となっている。劇中終盤のギンガナム隊との決戦では、重力下での完全な飛行を行っていた。スラスター・ベーンはマイクロエンジン(超小型推進器)を用いた二次元ノズルの集合体で、その一枚一枚もさらに小さなベーンが集まって出来ている(フラクタル構造)。出現直後はスラスター・ベーンにナノスキンの残骸が詰まっていた為、この機能は充分に回復しておらず、第12話で使用可能となった。

劇中ではその本来の能力の大半を発揮していないとされているが、その潜在パワーは凄まじく、スモームットゥーのモビルスーツとモビルアーマー2機を引っ張り上げた他、単体で大気圏離脱が可能な宇宙船ジャンダルムを正面から押し返すほどの推進力を誇り、他にも戦艦ウィルゲムの浮上を押し戻すなどしていた。

装甲素材「ナノスキン」は多数のナノマシンから成り、高度な自己修復機能を持っている。生物の細胞が新陳代謝をすることで全体を維持するように、∀ガンダムの装甲も常にナノマシンによって修復を受けている。当初∀が石像のような姿をしていたのは、役目を終えたナノマシン(いわば垢)が長年の間に堆積し、機体を覆ってしまったのだと考えられている。なお、ディアナ・カウンターのMSにもナノスキンを用いたものがある。

本機はアニメ第2話において、ディアナ・カウンターの砲撃に反応して神像「ホワイトドール」の中から出現。もっぱらこの機体を発見したロラン・セアックによって使用されることとなった。当初はどのような武装があるのかさえ分からない謎だらけの機体であり、またロランの穏和な性格もあって敵を叩きのめすような活躍は少なかった。むしろその一方、橋代わりになったり、胸部サイロで牛を運んだり、手首を回転させ洗濯機のように使ったりするなど、モビルスーツの原点回帰とも言うべき作業機械としての働きを見せ、作品を特徴付けることにも成功している。

物語が進むにつれて武装が発掘され、またその性能が少しずつ明らかになり、物語後半では驚異的な活躍を見せることとなった。一度はターンXの攻撃を受けロランがコア・ファイターで脱出、ギンガナム側に本体が渡りスモーのコクピットを付けて運用されたものの紆余曲折を経て奪還され、ターンXとの最終決戦時には両機共に月光蝶を展開、壮絶な戦闘を繰り広げた。死闘の末に両機とも相打ちとなった末に、暴走した月光蝶が共にナノマシンの繭を生成、繭に包まれた。他にソシエ・ハイムジョゼフ・ヨットメリーベル・ガジットが搭乗した。

曽我篤士版のコミカライズでは、ターンXとの戦闘で大気圏に落下し、コアファイターを除いて、ターンXと共に大気との摩擦熱で燃え尽きている。福井晴敏の小説版では、月面砲カイラス・ギリの2射目を受け止めた後、黄金に輝くナノマシンを地球に撒き散らしながらコア・ファイターを除いて崩壊している。このナノマシンがカイラス・ギリによって壊滅的被害を受けた地球の環境を回復させた。

型式番号 WD-M01
所属 イングレッサ・ミリシャ
建造 不明
生産形態 不明
全高 20.0m
本体重量 28.6t
ジェネレーター出力 27,000kw(+-5,000)
装甲材質 FE型
主な搭乗者 ロラン・セアック
ソシエ・ハイム
ジョゼフ・ヨット
メリーベル・ガジット
武装 胸部マルチパーパスサイロ
ビームライフル
ビームサーベル×2
ハイパーハンマー
シールド
月光蝶