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RX-78-2 ガンダム

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ジオン公国軍の主力モビルスーツ「MS-06F ザクII」の威力を目の当たりにした地球連邦軍が、これに対抗すべく発動した新兵器開発計画「V作戦」に基づき試作した白兵戦用モビルスーツ。設計・開発はテム・レイ技術大尉主導の下、タキム社、サムソニシム社、スーズ社、他数社の企業チームによって行われた。パイロットの帰還率の向上と貴重な実戦データの回収のため、腹部に脱出用小型戦闘機コア・ファイターを内蔵するコアブロックシステムを採用している。また、(テレビアニメ版においては)後に開発されたGパーツとの換装により多彩な形での運用も可能である。

ガンダムには当時の最新技術が惜しみなく投入されている。特にMS用の小型ビーム兵器はガンダムにおいて初めて実用化された兵器であり、それまでは戦艦クラスのメガ粒子砲などに限られていた、ザクなどのモビルスーツを一撃で撃破しうる能力を本機に与える事となった。また、あらゆる局面で実戦に耐え得る完成度を実現するために、製造コストは度外視されており、生産過程で異様に高い水準でパーツの選別を行っている(製造工程の基準に満たないものを流用して、陸戦型ガンダム等の機体が少数量産された)。コアブロックシステムによる複雑な機体構造やその高機動・高出力・重装甲はとても量産可能な代物では無かったが、それゆえに総合性能は7年後のグリプス戦役時のMSにも比肩すると言われる。その後、ガンダムから収集した実戦データを元にして、機体構造を簡略化した廉価版モビルスーツである、ジムの量産が行なわれた。

RX-78機体群は、参考となるザクIIのデータ入手から最初の実機RX-78-1 試作初号機(プロトタイプガンダム)の完成までに僅か半年しかかかっていない。これは、人間の不眠不休の労働ではなく、全自動のCAD=CAMシステムが設計製造を行ったからである。ジオン軍は設計補助にしかコンピュータを使わず、可変生産システム「FMS」でMSの開発製造をしていた。これは、ただでさえ連邦に対して国力に劣るジオンが、兵器の生産速度でさらに後れを取る原因となった(現実のエンジニアリングにおいては、CAD/CAMは「全自動でなにかを設計製造してくれるもの」ではないし、FMS (en:Flexible manufacturing system) は多品種少量生産に適した生産のシステムで、CAD/CAMと対照されるものではない)。

一年戦争において圧倒的な戦果を挙げたRX-78-2 ガンダムは、後のモビルスーツ開発にも多大な影響を与えた。戦局すら左右したその活躍は、連邦軍内部に「ガンダム神話」を生み出す事となり、この機体以後も「ガンダム」という名前を冠した、その時々の最先端技術を結集して建造されたシンボル的機体、いわゆるガンダムタイプMSが多数登場することとなる。

ザクを遙かに上回るジェネレータ・推進機出力に加え、連邦軍に亡命したミノフスキー博士により開発された「フィールドモーター駆動」の搭載により四肢の運動性が高められている。これらは対MS白兵戦やAMBACによる空間機動戦闘において優位性を発揮させるのは勿論のこと、地球の重力下でも、ジャンプ力と推進機との組み合わせによりドップガウなどの航空機相手の空中戦という離れ業を演じるのを可能にしている。また、地上での最高速度は130km/hとなっている。

しかし後には、ジオン側のモビルスーツやモビルアーマーの高性能化、さらにはパイロットの急速なニュータイプ能力の覚醒に対して、機体の機械的限界により反応動作が追いつかないという事態が生じた。そのため、連邦軍攻略後のソロモンにて、モスク・ハン博士の開発したマグネット・コーティング処置が施され、四肢の運動性が大きく改善された事で、その後もジオン軍の投入したニュータイプ専用MAエルメスのオールレンジ攻撃を回避し、撃墜する活躍を見せている。

基本兵装として、有効射程約20kmの携帯メガ粒子砲 ビーム・ライフルを携行もしくは腰部後面にスリングし、近接斬撃兵装としてビーム・サーベルをランドセル両側に各1基ずつ装備する。また対空近接防御火器として60mmバルカン砲を左右のこめかみに1門ずつ内蔵。ガンキャノンガンタンクほどの重装甲を施さない代わりに、携帯式のシールドを装備。これらの構成は、ガンダムタイプのみならず後の多くのMSの基本となった。開発期間をそれほど悠長に取れなかったガンダムの武装は、ビーム兵器を完成させられなかった場合を考え、他にもバズーカやハンマー等、様々なものが用意されていた。

アニメ第5話「大気圏突入」では、大気圏に再突入したガンダムが、空力加熱に耐えられるように股間のポケットに収納された耐熱フィルムを展開して機体を覆い、無事に生還している。映画版ではよりリアリティのある耐熱フィールドに変更された。これは股間部から噴出するエアーを前方に構えたシールドに吹きつけ、その吹き返しでガンダム本体を覆うフィールドを形成し加熱を防ぐ方法であり、シールドの使用は後のバリュートやフライングアーマーの原型となった。

ガンダムの大気圏突入機能はコアブロックシステムを前提としたもので、本来は上記装備で大気圏突破後Aパーツ・Bパーツを捨ててコア・ファイターに変形し、スペースシャトルのように滑空することにより落下スピードを減殺して地上に帰還することを想定していた。このように分離した場合、ガンダムとして戦闘を継続することは不可能である。設定上ガンキャノンに大気圏突入装備が搭載されているのもガンダムと同じコアブロックシステム採用機であるがゆえである。

後年発売された書籍等の設定では、アムロ・レイが大気圏突入を成功させたのは奇跡以外の何ものでもなく、戦後同じシステムを搭載した機体での大気圏突入テストは全て失敗に終わったため、バリュートシステムの開発が行われたとされている。しかし上記のようにガンダムの大気圏突入機能はコア・ファイターのみで地上に帰還する緊急脱出機能であり、バリュートのように大気圏突入後も戦闘可能な状態を維持するための装備とは根本的に異なるものである。

ガンダムには、人工知能が敵MSをセンサーで察知した際、自動的に狙撃するオートパイロット機能が搭載されている。しかし、これはあくまで教育型コンピューターに記憶された情報で動いているので、初期状態では使えないとされている。この機能が使用されたのが確認出来るのは、有名なラスト・シューティングだけである。『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の小説版(上巻)では、シロー・アマダが陸戦型ガンダムを囮として使うため、オートパイロット機能で起立させている。OVA版においても、シローがコックピット内で睡眠を取っていても、自動的に基地まで徒歩で帰還している描写がある。

ガンダムは試作機にもかかわらず、いきなり実戦に投入され、3ヶ月余りの間に200機以上のMSと15隻以上の艦船、および5機以上のMAを撃破するといった、とてつもない大戦果を挙げている。機体のテストと最終調整のため搬入されたサイド7に於いて、ジオン公国軍のMS隊の強襲を受けた際に、偶然にも操縦マニュアルを拾い、成り行きで開いていたコクピットに乗り込んだ民間人の少年アムロ・レイの操縦によって、ザクIIと初のMS同士の戦闘を行った末、勝利した。その後はニュータイプに覚醒するアムロの力もあり、ジオン公国軍兵士から「連邦の白いヤツ」(バンダイのゲーム作品では「連邦の白い悪魔」、バンプレストのゲーム作品では「連邦の白き流星」)と呼ばれ恐れられるほどの戦果を挙げる。劇中でジオン側の人物が連邦の新型MSを「ガンダム」と呼んだのは、第6話でのシャア・アズナブルのモノローグが最初であり、第7話でガルマ・ザビ、第11話でシャアが「ガンダム」という名に言及している。ジオンの一般兵が最初に「ガンダム」と呼んだのは、第17話でコズン・グラハムホワイトベースから通信して友軍に情報を送った際である。

一年戦争の最終決戦であるア・バオア・クーの戦いに於いては、固定武装のほか両手にハイパーバズーカ2挺、腰部にビームライフル、背部にシールドという空前の重装備で出撃。シャアの搭乗するジオングと交戦の結果相討ちになり、大破・放棄される。この際、左腕と頭部を失いながらも仁王立ちとなり、上方を飛ぶジオングの頭部をビームライフルで撃破したシーンは「ラスト・シューティング」と呼ばれ、ポスターなどに数多く描かれた。このあとジオングの放った最後の一発が右腕と右脚を破壊、行動不能になったが、コア・ファイターの分離システムは生きており、アムロがア・バオア・クーからの脱出に使用した。

型式番号 RX-78-2
所属 地球連邦軍
建造 地球連邦軍
生産形態 試作機
全高 18.0m
本体重量 43.4t
全備重量 60.0t
ジェネレーター出力 1,380kw
スラスター総推力 55,500kg
センサー有効半径 5,700m
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
主な搭乗者 アムロ・レイ
セイラ・マス
ハヤト・コバヤシ
リュウ・ホセイ
武装 60mmバルカン砲(内蔵:弾数50)×2
ビーム・ライフル(オプションでスーパー・ナパームを装備)
ハイパー・バズーカ
ビーム・サーベル / ビーム・ジャベリン×2
シールド
ガンダム・ハンマー
ハイパー・ハンマー