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ジュドー・アーシタ

ジュドー・アーシタ

ジュドー・アーシタ

物語開始時の年齢は14歳。血液型はB型。公式設定は身長165cm、体重56kg。

宇宙世紀0088年初頭、ジュドー・アーシタはサイド1のスペースコロニー「シャングリラ」にて暮らしていた。同コロニーの福利厚生政策はお世辞にも充実していたとは言えず、また彼の両親は出稼ぎに出たまま不在の状態であった。このため、ジュドーは学校にはあまり通わず、生活費の捻出と妹のリィナ・アーシタを「山の手の学校」へと通わせるため、仲間達と共にジャンク屋家業に精を出していた。

そんな折、グリプス戦役で疲弊したエゥーゴの巡洋艦アーガマが修理と補給のため、彼の住むシャングリラへと寄港する。ジュドーと仲間のビーチャ・オーレグらは、アーガマに所属するモビルスーツΖガンダムを盗み出し大儲けしようと画策する。彼らは、シャングリラに流れ着いたティターンズの敗残兵ヤザン・ゲーブルと共にアーガマに侵入するが、ジュドーは成り行きからΖガンダムに乗り込んでしまう。ヤザンのクルーに対する横暴に憤りを覚えたジュドーはΖガンダムで戦いを挑み、彼の乗り込むプチ・モビルスーツを撃退する。アーガマの艦長ブライト・ノアは、初めてとは思えぬ操縦でΖガンダムを操るジュドーを見て、彼の行動にアムロ・レイカミーユ・ビダンといったかつてのガンダムのパイロット達の面影を重ねる。

それと前後してシャングリラにアクシズの先遣隊・巡洋艦エンドラが入港、同艦を率いるマシュマー・セロは自ら新型MSに搭乗し、アーガマを襲撃する。しかし、再びΖガンダムに乗り込んだジュドーがこれを退け、その後ブライトやファ・ユイリィらの懇願もあり、ジュドーと仲間達はアーガマの乗員となる。また、志願兵ルー・ルカも同時にアーガマへ合流している。ジュドーはブライトの期待に応え、その後幾度かの実戦を経てΖガンダムを乗りこなすようになる。また、彼はコロニー内を航行中の艦艇やMSに生身で取り付くなどの、生来の行動力と高い身体能力を持っていた。パイロット候補生となったジュドーは、攻め来るエンドラのMS部隊に対して臆することなく戦い、アーガマの窮地を救う。そして、エゥーゴの最新鋭機ΖΖガンダムのメインパイロットとなったジュドーは、同機の性能を存分に振るい、第一次ネオ・ジオン抗争に参加していく。

ジュドーは当初、アーガマの戦闘艦としての任務には積極的ではなかったが、彼の妹リィナは同艦の援助に熱心であった。そのため、彼女の身の安全を第一と考えるジュドーとしては、妹を護るためには戦闘に参加せざるを得なかった。しかし、そのリィナがネオ・ジオンに捕われの身となってからは積極的に戦闘に身を投じるようになり、独断による出撃や単身アクシズに投降、潜入を試みるなどの怪行を繰り返す場面も見られた。またエゥーゴの出資者ウォン・リーの「修正」を切り返し、蹴りを入れるなど、ジュドーやその仲間達の奔放な振る舞いはブライトらアーガマクルーの頭痛の種でもあったという。その後、ジュドーはサラサ・ムーンラサラ・ムーンエルピー・プルセシリア、その他多くの人物との出会いと彼らの死、そして人間の持つエゴイズムと直面していく中で成長していく。

ジュドーは、Ζガンダムのパイロットであったカミーユ・ビダンやネオ・ジオンのエルピー・プル、そしてハマーン・カーンらニュータイプとの出会いを重ね、それらは彼に戦うことへの意義を見出させる契機となっていった。カミーユは自失状態でありながらも思念でジュドーに語りかけ、ジュドーはそれを感知した。プルはジュドーに惹かれエゥーゴに寝返り、ハマーンは彼の気配をかつての恋人シャア・アズナブルと錯覚している。

ハマーンはアクシズでジュドーと出会って以来、関心を寄せるようになり彼を同志とするべく幾度か誘いをかけたが、ジュドーはそれを退け、ダカール迎賓館においてはリィナを負傷させたハマーンに対し怒りの念を爆発させる。この時の激昂するジュドーの意思は強大な敵意となってハマーンに襲い掛かり、彼女を激しく怯えさせた。ニュータイプであるハマーンにとって、己に対して向けられたジュドーの意思はプレッシャーにも似た恐怖として感じられた様である。また、ダカール市外にて戦闘中であったジュドーの仲間達にとっても、異様な気配として察知されている。ハマーンはその後も幾度かジュドーにアプローチを行っているが、ジュドーは彼女を悪の元凶と捉え拒み続けた。

ジュドーは妹であるリィナを助けるという、人間として自然な動機で戦闘に参加しており、特定の思想・観念に対し囚われを抱くことはなかった。戦闘の渦中においてリィナが消息不明となった際、ジュドーは激しい失意に沈む。しかし、仲間の叱咤もあり、戦争を終結させるために決意を新たにしたジュドーは生来のバイタリティを取り戻す。そして、彼を慕うプルやラビアンローズエマリー・オンス、ラサラ・ムーンといった仲間達の死を乗り越え、彼らの意思を背負い過酷な現実に立ち向かっていった。ジュドーは人間の可能性を信じ、彼の発した意思は遠く離れていたリィナにも届いている。

第一次ネオ・ジオン抗争の最終局面において、ジュドーはハマーンとの一騎打ちに臨む。ハマーンは決戦の舞台を、ジオン発祥の地であり彼女が初めてジュドーに出会ったコア3の宮殿前へと運ぶ。ジュドーはそれを単なるハマーンの感傷に過ぎないと一蹴した。途中、両者はモビルスーツを降り、生身の戦闘を展開する。この際にもハマーンはジュドーに己の許へと来るように最後の呼びかけを発する。ジュドーはハマーンの存在そのものを否定する言葉を口にし、彼女を拒絶した。憎悪を拡大するハマーンにジュドーは怒り、憎しみ吐き出せと言い放つ。激戦の末、最終的にジュドーはハマーンのキュベレイを撃破する。己の信念を看破され、敗北を喫したハマーンではあったが、その貌は長年の宿業から解き放たれたかの様に安らかであった。優れたニュータイプの資質を持つが故に孤独であり、幼い頃からアクシズを率いる重圧を担い続けてきたハマーンは、いつしか彼女自身をも乗り超える強さを持った存在を待ち望んでいた。致命傷を負ったハマーンは救助の手を差し伸べるジュドーの手を振り切り、大破した乗機を岩盤に激突させ自害する。その潔さを持ちながら、ハマーンが自身の能力を調停に活かさなかったことがジュドーには悔やまれた。しかし、彼の優しさは頑なであった彼女の精神を最期に救ったのである。

戦争終結後、ジュドーは依然として変わらぬ連邦政府高官やエゥーゴ上層部の実態に愕然とし、激しい憤りを感じ涙する。しかし、それでも彼は人間に対する希望を失わず、ルー・ルカと共に木星船団ジュピトリスIIに志願する。月面フォン・ブラウン市にて仲間達に見送られる中、彼は消息不明となっていた最愛の妹リィナと再会、抱擁を交わす。一説によれば、彼らと共に戦い抜いたΖΖガンダムも同時にジュピトリスIIに搬入されたという。宇宙世紀0089年3月、こうしてジュドーは木星圏を目指して旅立っていった。

搭乗機