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マシュマー・セロ

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登場当初は宇宙巡洋艦エンドラの艦長を務めるネオ・ジオンの「騎士」として登場。グリプス戦役後のサイド3の譲渡と、ザビ家再興を狙うネオ・ジオンに協力させるために各コロニーへ進出していた。その途中、先の戦闘で満身創痍のアーガマが寄港しているサイド1のコロニー「シャングリラ」に駐留。マシュマーはシャングリラ内を視察中に、ファ・ユイリィに付き添われた車椅子のカミーユと遭遇し、その様子に多少の同情を示すが、彼がエゥーゴの要とも言うべきエースパイロットであった事には気付かなかった。そしてアーガマを発見し、自らモビルスーツを駆って襲撃するが、成り行きでパイロットになったジュドー・アーシタの駆るΖガンダムによって幾度となく退けられる。その後、アーガマがシャングリラを発進してからは、準サイコミュ搭載のハンマ・ハンマを用いて、ついにΖガンダムの頭部を破壊するまでに至るが、あと一歩のところで新型として登場したΖΖガンダムに阻止される。

この頃のマシュマーは容姿容貌は美麗な貴公子である一方、主君たるハマーン・カーンへの極端な尊崇と恋慕の情の入り交じった思いを抱くあまり、三枚目的な珍行を繰り返す面白おかしい人物であった。ハマーン直々にたまわった薔薇に傷まぬようコーティング処理を施し、戦闘中を含め常に制服の胸に挿し大切にしていた。また、「ハマーン様のお言葉」を思い出しては頬を赤らめてありがたがり恍惚状態になるシーンは、番組第1クールにおいて定番の“コーナー”と化していた。一方、ファ・ユイリィに一目惚れして勝手に「天使殿」などと呼んでおり、一事が万事大時代的なロマンチスト肌。そんな調子であるため、部下のゴットン・ゴーにすぐ後ろで愚痴を言われたり、戦いに徹しきれない情があるなど、やる気空回り気味の憎めないライバルキャラでもあった。

しかし度重なる失敗の責任を問われるかたちで表舞台から遠ざかるが、後に強化手術を施された上で再登場。その際には艦隊や新型モビルスーツ等を与えられるも、副官兼目付け役としてイリア・パゾムを付けられる。性格は強化手術によって不安定ながらも冷酷非情に変化しており、ダブリンへのコロニー落としを実行。その後も宇宙に上がったジュドーたちを付け狙う。グレミー・トト率いるニュータイプ部隊の反乱の際には、ザクIII改で先陣を切って出撃し、プルツーが搭乗するクィン・マンサに単機特攻を敢行。クィン・マンサの嵐のようなオールレンジ攻撃網を突破し(その際に4機のファンネルを破壊している)、更にはメガ粒子砲をもかわし切り、その勢いに乗じてビームサーベルで一太刀あびせる等圧倒し、正に鬼神の如き戦いぶりを見せる。

その後はグレミーの反乱に加担したラカン・ダカラン率いるスペースウルフ隊と戦闘。乗機のザクIII改1機で性能的には同等のドーベン・ウルフ5機を相手に互角以上に渡り合う奮戦を見せる。その暴走とも言える様は凄まじく、複数機から有線式腕部に絡めとられて電流を流し込まれ、四方からメガランチャーを浴びせられるもそれをはね返し、逆にドーベンウルフをたぐり寄せ頭部をねじ切るという怪物じみた力を発揮する。しかし過度な強化処置を施されたマシュマーの精神は遂に臨界点に達し、ハマーンを称える絶叫にも似た断末魔と共にスペースウルフ隊を巻き込み爆散、戦死する。その最期はジュドーやキャラ・スーンに衝撃を与えるが、ハマーンと監視役のイリアからは「強化しすぎた」と言われ、惜しむとも哀れむともとれる淡白な反応をされただけだった。

小説版では、ZZガンダムに敗れた後シャングリラに戻り、ゲモン・バジャックヤザン・ゲーブルらと共にMSゲゼに搭乗し、降下艦隊に合流した。降下後砂漠で旧ジオン軍残党がガンダム・チームに敗れた後、Zガンダムに襲いかかるが、グレネードランチャーの直撃を受け、死亡する。ヤザンとゲモンという死を悼んでくれる友人に看取られた。

当初こそオープニングのラストカットにも登場し、メインのライバルとなることが予想されたが、一時退場後、実に半年間出番が無く(グレミーの方が、出演機会もジュドー達との接点も多かった)、再登場後は性格のため、モビルスーツで出撃する機会が少なくなり、ハマーン軍とグレミー軍の最終決戦では、ジュドー達が戦力的に有利なグレミー側を先に倒そうとしたため、ついにジュドーとの再度の直接対決は実現しなかった。このことから見ても、作品の路線変更の煽りを大きく受けたキャラと言える。それと同時に、憎めない二枚目半が狂気に満ちた戦闘マシンに変貌した様は、期せずして戦争の一面を象徴していた。

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